◎国宝・瑠璃光寺五重塔の「令和の大改修」が完了。大内文化と幕末史を歩く「香山公園」

山口県山口市香山町にある香山公園は山口市を代表する歴史公園です。
最大の見どころは、園内に建つ国宝・瑠璃光寺五重塔ですが、香山公園の魅力は五重塔だけにとどまりません。室町時代の大内氏ゆかりの史跡から、幕末の長州藩に関わる露山堂や枕流亭、毛利家墓所まで、中世から幕末・明治維新にいたる山口の長い歴史を、ひとつの公園の中で歩きながらたどれるのがこの公園の面白さです。

山口県観光サイトによると、園内をゆっくり散策する所要時間はおよそ1時間半。
2026年は、この香山公園にとって特に注目すべき年です。国宝・瑠璃光寺五重塔で約70年ぶりとなる檜皮葺屋根の全面葺き替え工事が完了し、2026年4月23日には瑠璃光寺主催の竣工記念式典が行われました。長らく足場や素屋根に覆われていた五重塔の本来の姿をいま見ることができるタイミングです。

香山公園の基本情報

  • 名称:香山公園(こうざんこうえん)
  • 所在地:山口県山口市香山町7番1号周辺(瑠璃光寺の住所も同じ香山町7-1)
  • 公園の性格:歴史公園
  • 入園料:公園への入園は無料
  • 利用時間:24時間出入り可能
  • 所要時間:全行程で1時間30分前後、瑠璃光寺五重塔周辺のみなら30分ほどが目安です
  • 問い合わせ:山口市役所本庁舎 街路公園担当 TEL 083-934-2832

🚙 アクセス

  • 電車+バス:JR新山口駅からバスで約30分、「県庁前」バス停下車、徒歩約10分
  • 車:中国自動車道 小郡ICから約20分

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🚗 駐車場情報

香山公園には来園者用の無料駐車場があり、目安として約100台分が用意されています。大駐車場には大型バス8台分のスペースもあり、こちらは予約不要で利用できます。

  • 土日祝日や年末年始で香山公園の駐車場が混雑している場合は、隣接する山口県庁の駐車場を利用できると山口市が案内しています
  • 県庁駐車場から香山公園までは徒歩約15分が目安です
  • 特に桜や紅葉のシーズンは混雑しやすいため、早めの時間帯に訪れると余裕を持って見学できます

五重塔の大改修完了で、これからますます多くの人が訪れることが見込まれます。周辺の史跡も含めてゆっくり回るなら、時間を気にせず動ける楽天トラベル(レンタカー)が便利です。

香山公園の見どころ

🏯 国宝・瑠璃光寺五重塔

  • 嘉吉2年(1442年)ごろに建立されたとされ、高さは31.2m。解体修理の際に「嘉吉2年」の墨書が発見され、建立年代が明らかになりました
  • 応永6年(1399年)の応永の乱で戦死した大内義弘の菩提を弔うため、弟の大内盛見が建立を計画したと伝えられています
  • 檜の樹皮を何層にも重ねて葺く「檜皮葺(ひわだぶき)」の屋根が特徴で、優雅な曲線を描いています。上層になるほど塔身が細くなる設計により、全体としてすっきりとしたシルエットになっています
  • 法隆寺五重塔、醍醐寺五重塔と並んで「日本三名塔」と紹介されることがあります(公的な文化財区分ではなく一般的な呼称です)
  • 2021年秋から準備を含む保存修理工事が始まり、約70年ぶりとなる檜皮葺屋根の全面葺き替えなどを実施。2025年12月末に工事が完了し、2026年4月23日に竣工記念式典が行われました。約25万6千枚のヒノキの樹皮を使い、総事業費は約7億6千万円にのぼりました
  • ライトアップは日没から午後10時まで。昼の優雅な姿とはまた違う、幻想的な夜の五重塔を楽しめます
  • 2026年は10〜12月の一部日程で、通常入れない内部を含む特別拝観体験も予定されています(詳細・予約は公式観光サイトで要確認)

⛩️ 瑠璃光寺

  • 実は五重塔がもともと建っていたのはこの場所ではありません。1471年(文明3年)、大内氏の重臣・陶弘房の夫人が夫の菩提を弔うため、現在の山口市仁保高野に「安養寺」として創建したのが始まりです
  • 1492年に瑠璃光寺へ改称。その後、現在地にあった香積寺が1604年に萩へ移されたのち、1690年に瑠璃光寺が現在の場所へ移転しました
  • つまり五重塔はもともと香積寺の遺構で、後から瑠璃光寺が移ってきたために「瑠璃光寺五重塔」と呼ばれています。少しややこしいですが、知っておくと散策がより面白くなる由来です

🍵 露山堂

  • 幕末の長州藩主・毛利敬親ゆかりの茶室です
  • 毛利敬親はここで身分にこだわらず家臣たちと接し、幕末の政治について話し合ったと伝えられています
  • 単なる茶室にとどまらない、長州藩の幕末史を感じさせる建物です

🏠 枕流亭

  • 幕末に薩長関係の重要な話し合いが行われた場所として知られ、香山公園に移築されています
  • 大内氏の時代から毛利氏の時代、そして幕末の長州へと、山口の歴史を連続して感じられる建物のひとつです

⚰️ 毛利家墓所(香山墓所)

  • 幕末の長州藩主・毛利敬親をはじめ、その子・元徳、元徳の長子・元昭など、毛利家に関わる人々が眠る墓所です
  • 五重塔を中心とする大内文化とは別に、こちらでは毛利氏・長州藩の歴史を肌で感じられます

👣 うぐいす張りの石畳

  • 毛利家墓所へ続く石畳は「うぐいす張り」として紹介されています
  • 石畳の付近で手を叩いたり強く足踏みをすると、前の石段に反響してウグイスの鳴き声のように音が跳ね返ってくる仕掛けです
  • ただ「見る」だけでなく、実際に体験して楽しめる香山公園ならではのスポットです

🗿 大内弘世像・雪舟像

  • 大内弘世は大内氏24代当主で、山口の町を「西の京」として発展させた人物です
  • 雪舟は室町時代を代表する画僧・画家で、山口とも深い関わりがあり、園内には雪舟像が設置されています
  • この二人の存在が、香山公園が山口の中世文化を象徴する場所であることを物語っています

📚 瑠璃光寺資料館

  • 五重塔についての展示を行う資料館で、建築様式や歴史的背景をより詳しく知ることができます
  • 五重塔を見て終わりにせず、その価値を深く理解したい人におすすめの立ち寄りスポットです

🌳 さるすべりの木

  • 「猿もすべる」と言われるほど幹が滑らかなさるすべりの木も、園内の見どころのひとつとして案内されています
  • 歴史的建造物の合間に、こうした自然の見どころが点在しているのも香山公園らしさです

🌸 桜・梅・紅葉・雪景色

  • 桜:山口市の公式情報でも「桜や楓の裏山を背にした瑠璃光寺五重塔」が山口のシンボルとして紹介され、五重塔と桜が織りなす景観は非常に日本的です。池のほとりに建つ塔が水面に映り込み、花びらが舞い散る光景は特に印象的です
  • 梅:早春になると白・紅の梅が咲き、梅と五重塔が並ぶ景観は国土交通省の資料でも紹介されています
  • 紅葉:秋には五重塔の背後の山が色づき、檜皮葺の屋根と赤や黄色の紅葉が美しいコントラストを見せます
  • 雪景色:白い雪、黒っぽい木造建築、檜皮葺の屋根、背景の山が重なり、水墨画のような景観になります

おすすめ散策コース

初めて訪れるなら、①香山公園駐車場→②瑠璃光寺→③国宝・瑠璃光寺五重塔→④大内弘世像→⑤雪舟像→⑥うぐいす張りの石畳→⑦毛利家墓所→⑧露山堂→⑨枕流亭→⑩公園を散策、という順番がおすすめです。所要時間の目安は約1時間半。大内氏から毛利氏、幕末の長州藩まで、時代を追いながら歩けるルートになっています。

季節の楽しみ方

  • 春:梅に続いて桜が見頃を迎え、五重塔との組み合わせが最大の見どころになります。
  • 夏:緑に囲まれた境内は木陰も多く、比較的過ごしやすい季節です。
  • 秋:五重塔の背後の山が色づき、紅葉と檜皮葺屋根の対比が楽しめます。
  • 冬:雪が積もると水墨画のような景観になり、静かな歴史散策に向いた季節です。

訪問アドバイス

  • 観光ボランティアガイドを活用するのもおすすめです。土日祝日の9時〜16時(夏季は17時まで)に公園正面入口付近で案内を受けられる時期があります。
  • 特別拝観は事前確認を。2026年10〜12月の内部特別拝観は日程や予約方法が限られるため、訪問前に公式観光サイトで確認しておきましょう。
  • 混雑時は県庁駐車場も選択肢に。土日祝・年末年始で香山公園の駐車場が満車の場合は、徒歩15分の県庁駐車場を利用できます。
  • うぐいす張りの石畳は静かに体験を。混雑時は音が聞き取りにくいこともあるため、タイミングを見て試してみてください。
  • ライトアップ狙いなら日没後を。夜10時まで五重塔がライトアップされ、昼とは違う表情が楽しめます。
  • 吉香公園や維新百年記念公園など、山口県内の他の公園とあわせて巡るのもおすすめです。

香山公園【まとめ】

香山公園は、国宝・瑠璃光寺五重塔を中心に大内文化から幕末の長州藩まで山口のおよそ600年にわたる歴史を歩きながら感じられる公園です。

2026年は約70年ぶりの大改修を終えた五重塔本来の姿を見られる貴重なタイミングであり、「日本の歴史公園100選」の名にふさわしい見応えがあります。

最新の拝観情報や駐車場の混雑状況は、訪問前に香山公園 国宝瑠璃光寺五重塔 公式サイトで確認しておくと安心です。