◎海水を引き込んだ全国でも珍しい水城——玉藻公園(高松城跡)

香川県高松市にある「玉藻公園」は、日本三大水城のひとつに数えられる高松城(別名:玉藻城)の城跡を整備した歴史公園です。国の史跡に指定されているほか、日本100名城、日本の歴史公園100選にも選ばれています。
もっとも大きな特徴は、堀に瀬戸内海の海水を引き込んでいること。堀を泳いでいるのは鯉ではなく真鯛という全国的にも珍しい海城です。

築城が始まったのは1588年(天正16年)。豊臣秀吉の家臣・生駒親正によるもので、生駒家4代の後、1642年からは水戸徳川家の松平頼重が入封し松平家11代の居城として整備が続けられました。
天守は1884年に老朽化のため解体されてしまいましたが、月見櫓や艮櫓、水手御門・渡櫓、披雲閣といった重要文化財の建物は今も残っており、往時の姿をしのばせてくれます。公園としての一般開放は1955年から。「玉藻」という名は、柿本人麻呂が讃岐を詠んだ和歌「玉藻よし」に由来しています。

この記事では、駐車場やアクセスの詳細から見どころ、体験プログラムまで、初めて玉藻公園を訪れる方に役立つ情報をまとめました。高松駅からすぐという好立地なので、旅の合間に気軽に立ち寄る計画にもぜひ役立ててください。

基本情報

  • 名称:玉藻公園(たまもこうえん)/史跡高松城跡
  • 所在地:〒760-0030 香川県高松市玉藻町2-1
  • 電話:087-851-1521(玉藻公園管理事務所)
  • 面積:約8万㎡(旧城域の一部)
  • 開園時間:西門(JR高松駅・ことでん高松築港駅側)は日の出頃〜日没頃で季節変動(例:4〜5月5:30〜18:30、6〜8月5:30〜19:00、冬季は短縮)。東門(駐車場・県立ミュージアム側)は4〜9月7:00〜18:00、10〜3月8:30〜17:00
  • 休園日:12月29日〜31日
  • 入園料:18歳以上300円、団体(20人以上)240円、年間パスポート1,800円。18歳未満は無料、65歳以上の高松市民(証明書提示)や障害者手帳所持者とその介護者なども免除対象です
  • 共通券:香川県立ミュージアム常設展とのセット券(例:640円)のほか、栗林公園・県立ミュージアム・高松市美術館との相互割引もあります
  • 無料開放日:1月1日〜3日、5月5日(一般開放記念日)、桜の季節の夜間開放など

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駐車場について

玉藻公園には東入口側に専用駐車場があり、普通車57台分・無料で利用できます。ただし入園中のみの利用に限られており、利用時間も4〜9月は7:00〜18:00、10〜3月は8:30〜17:00と決まっているので、閉園間際の駆け込み利用には向きません。大型バス専用の駐車場も別途あり、こちらは最大2台まで、要予約となっています。

  • 台数が57台とそれほど多くないため、桜のシーズンや連休は満車になりやすい点に注意しましょう。
  • 満車の場合は、公園から徒歩5分ほどの場所にある「玉藻町駐車場」(収容約333台・24時間営業・平日100円/25分など)が近隣の代替候補になります。中心市街地なので、この一帯にはコインパーキングも点在しています。
  • JR高松駅やことでん高松築港駅からいずれも徒歩数分の距離なので、電車やバスで訪れて駐車場探しの手間そのものを避けるのも一つの手です。

アクセス

  • 電車:JR高松駅から徒歩約3〜5分、ことでん高松築港駅から徒歩すぐ
  • バス:高松築港停留所などから徒歩約2分
  • 車:高松中央ICから約20分

高松駅からすぐという立地なので、公共交通機関だけで十分に楽しめる公園です。ただし栗林公園やこんぴらさん、瀬戸大橋周辺など香川県内の他のスポットもあわせて回りたいなら、レンタカーを借りてしまうほうが移動の自由度が高まります。高松駅周辺には複数のレンタカー営業所があるので、楽天トラベル(レンタカー)で空き状況を調べてみるとよいでしょう。

🏯重要文化財の櫓・門めぐり

  • 月見櫓:毎週日曜日の9:00〜12:00・13:00〜15:00頃に内部が公開されます。瀬戸内海と城内を見渡せる眺望が魅力です。
  • 水手御門・渡櫓:日曜日に開扉されることが多く、参勤交代の際に藩主が小舟に乗り込んだという歴史ある門です。かつては直接海に面しており、ここから沖合の本船に乗り換えて大坂へ向かったと伝えられています。
  • 艮櫓(うしとらやぐら):城の東北(丑寅)の方角を守る櫓で、堀端に建つ姿は写真映えするスポットのひとつです。

🚪77年ぶりに復元された桜御門

  • 桜御門は披雲閣の正門にあたる櫓門で、1627年の記録にすでにその姿が描かれているほど歴史の古い建造物です。
  • 明治以降の解体を免れ、旧国宝(現在の重要文化財)指定が内定していましたが、1945年7月の高松空襲で焼失し、長らく石垣だけが残る状態が続いていました。
  • 設計図が残っていなかったため、古写真や発掘調査、実際に門を出入りした経験者への聞き取りなどをもとに、釘などの金物を使わない伝統的な工法で復元が進められ、2022年6月に完成しました。幅約12m・奥行き約5m・高さ約9mという堂々とした構えです。
  • 2階の展示室は土曜・日曜・祝日の9:00〜16:00に公開されており、外観だけなら玉藻公園の開園時間内はいつでも見学できます。
  • 石垣には空襲の熱で赤く変色した石が今も所々に残っており、公園の歴史をより深く感じさせてくれます。

🏛️国重要文化財の御殿「披雲閣」

  • 1917年に建てられた旧松平家の別邸・迎賓館で、伝統的な書院造りに洋風の技術を融合させた造りが評価され、国の重要文化財に指定されています。
  • 枯山水と大正期の作風を今に伝える披雲閣庭園は国の名勝に指定されており、建物とあわせてじっくり鑑賞したい見どころです。
  • 現在も茶会やコンサートといったイベント会場として活用されており、歴史的建造物を実際に使い続けているのも魅力のひとつといえます。

🐟海城ならではの堀の体験プログラム

  • 「鯛願城就(たいがんじょうじゅ)」は、海水の内堀を泳ぐ真鯛にエサをあげられる体験です。ガチャガチャ形式でエサを購入する仕組みで、料金は約100円。願いが叶うともいわれています。
  • 「城舟体験(内堀遊覧船)」では、江戸時代の古図に描かれた船をモデルにした和船に乗り、天守台周辺を約30分かけて遊覧できます。料金は500円で、運航は3〜11月が目安です(時期や運航状況は事前に確認してください)。
  • 船頭さんの語る歴史エピソードを聞きながら、間近に迫る天守台の石垣を眺められるのは、水城ならではの贅沢な体験です。

🏯天守台跡と天守復元への取り組み

  • 天守そのものは1884年に解体されてしまいましたが、天守台の石垣は今も残っており、当時のスケールを感じられます。
  • 高松市では天守の復元に向けた基礎調査や復元案の検討が進められており、将来的な再建を目指す取り組みが続けられています。園内には松ぼっくりを集めて天守復元への願いを込める、地元ならではの小さな仕掛けも見られます。

🌸桜の馬場と季節の庭園風景

  • 「桜の馬場」は野外イベントにも使われる開放的な空間で、春には約76本のソメイヨシノやヨウシュンが咲きそろいます。
  • 披雲閣庭園をはじめ、園内には四季折々の花木が植えられており、歩くたびに違った表情を見せてくれます。

季節のイベント

🌸春:桜見物・植木市

  • 例年4月上旬が桜の見頃で、2026年は3月27日〜4月5日の期間、17:30〜20:00に夜間無料開放とぼんぼりライトアップが予定されています。夜桜と重要文化財の建物が織りなす光景は一見の価値があります。
  • 春には植木市も開催され、盆栽や苗木を求める人で賑わいます。

🎏5月:一般開放記念日と鉄砲隊演武

  • 5月5日は一般開放記念日として入園無料となり、あわせて鉄砲隊演武など特別な催しが行われることがあります。

🎐夏:夕涼みライトアップ

  • 夏の夜間には「夕涼み無料開放」が行われ、艮櫓や桜御門がライトアップされます。桜御門のライトはスマートフォンで色を変えられるという遊び心のある演出も用意されており、披雲閣庭園ではミストシャワーで涼を感じながら散策できます。

🍂秋:菊花展

  • 手入れの行き届いた菊の花々が園内を彩る菊花展は、秋の玉藻公園を代表するイベントです。

年間を通じて

  • 披雲閣コンサートやガイドツアーが不定期に開催されており、天守模型などのオリジナルグッズも販売されています。

訪問アドバイス

  • 駐車場は台数が限られているため、繁忙期は近隣の玉藻町駐車場やコインパーキングも視野に入れておきましょう。
  • 建物の内部公開日は月見櫓・水手御門・渡櫓ともに日曜日が中心です。内部までしっかり見学したい方は日曜日に合わせて訪れるのがおすすめです。
  • 城舟体験は運航時期が限られる(目安は3〜11月)ので、冬に訪れる予定がある方は事前に運航状況を確認しておくと安心です。
  • 共通券の活用もお得です。香川県立ミュージアムや栗林公園とセットで回る予定があるなら、割引券の有無を入園時に確認してみてください。
  • 無料開放日を狙って訪れるのも賢い選択です。1月1〜3日や5月5日は入園料がかからず、特別なイベントが行われることもあります。
  • 駅近という立地を生かして、栗林公園や高松港周辺の観光とあわせて半日ほどの街歩きコースに組み込むのもおすすめです。

玉藻公園【まとめ】

玉藻公園は、海水を引き込んだ堀を真鯛が泳ぐという全国的にも珍しい海城の姿を高松駅から徒歩圏内という気軽さで楽しめる歴史公園です。

重要文化財の櫓や門、77年ぶりに復元された桜御門、国の名勝である披雲閣庭園まで、見どころが凝縮されています。駐車場は台数が限られるので、混雑期は公共交通機関や近隣駐車場もあわせて検討してください。

イベントの最新スケジュールや開園時間の変更は、玉藻公園公式サイトで確認するのが確実です。