◎「石垣の博物館」と呼ばれる国史跡・臼杵公園(臼杵城跡)

大分県臼杵市の中心部、JR臼杵駅から徒歩約10分の城下町に位置する「臼杵公園」はキリシタン大名として知られる大友宗麟が築いた臼杵城の跡地を整備した都市公園です。続日本100名城に選定されているだけでなく、2025年3月10日には国指定史跡にもなりました。市民からは今も「公園地」という愛称で親しまれており県南有数の桜の名所としても有名です。

臼杵城は永禄5年(1562年)頃、九州6ヵ国を治めた守護大名として知られる大友宗麟によって臼杵湾に浮かぶ丹生島という巨大な島の上に築かれました。当時は島を利用した城郭で、三方を海に囲まれた天然の要害として堅固な守りを誇り、島の形が亀に似ていたことから「亀城」とも呼ばれています。
文禄2年(1593年)に大友氏が改易となったのちは太田一吉が城主を務め、天守を含む石垣や櫓を築き、城の外に三之丸を造成しました。
その後、美濃から入封した稲葉氏も城内を改修しながら明治の廃藩置県まで15代にわたり臼杵城を居城として利用し続けます。
明治6年(1873年)に廃城が決定されると、臼杵城はお城としての役目を終えると同時に日本で最初期の公園として整備されました。

戦国時代から現代まで歩みを続けてきたこの城跡は、太田氏から稲葉氏へと時代ごとに積み方の異なる石垣が随所に残り、城内を回ればまるで「石垣の博物館」を巡っているかのようです。この記事では、そんな臼杵公園の基本情報からアクセス、見どころ、季節ごとの楽しみ方まで詳しくご紹介します。

基本情報

  • 名称:臼杵公園(うすきこうえん)
  • 所在地:大分県臼杵市大字臼杵字丹生島91(91-1)
  • 入園料:無料
  • 開園時間:見学自由(終日開放)
  • 指定:続日本100名城(2017年選定)、国指定史跡(2025年3月10日、文部科学省告示第23号)
  • 国史跡としては臼杵市内で「特別史跡臼杵磨崖仏」「史跡下山古墳」「史跡下藤キリシタン墓地」に次ぐ4例目
  • お問い合わせ:臼杵市産業観光課 0972-63-1111、文化・文化財課 0972-72-1072、または一般社団法人臼杵市観光協会 0972-64-7130

アクセス

  • 電車:JR日豊本線「臼杵」駅から徒歩約10分
  • 車:東九州自動車道「臼杵IC」から国道502号経由で約3〜5km、約10分

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駐車場情報

  • 大型バス専用の駐車場などが用意されており、無料で利用できる場合もあります
  • 桜まつり期間中は臼杵市役所周辺の無料・有料駐車場も利用できます
  • 近隣には市営駐車場もあるため、混雑が予想される時期は複数の選択肢を検討しておくと安心です

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臼杵公園の見どころ

🏯 まるで石垣の博物館、時代ごとに異なる石垣群

  • 臼杵城には大友氏・太田氏から稲葉氏へと受け継がれる過程で、城内各所に時代の異なる石垣が築かれています
  • 「天守台石垣」は太田氏が城主だった慶長初期〜文禄期(1592〜1600年頃)のもので、高さ約7mの三層四重の高石垣。かつては内部4階・外観3階の天守が建っていましたが、現在は石垣のみが残っています
  • 「鉄門桝形石垣」は稲葉期・江戸初期のもので、大正期に天守台付近の石垣とともに南半分が撤去されましたが、築石や角石が城内で一番大きく、城の心臓部を守る石垣として今も威容を見せています
  • 「海鹿櫓周辺曲輪石垣」は稲葉期・江戸後期のもので、堀の水面から約10mの高さがあり、臼杵城内で最も高く迫力ある石垣です
  • 積み方の違いを見比べながら歩くと、まるで石垣の博物館を巡っているような感覚を味わえます

🏛️ 現存する貴重な建物「卯寅口門脇櫓」「畳櫓」

  • 「卯寅口門脇櫓」と「畳櫓」は、全国に4例しかないという「重箱造」の櫓として貴重な現存建物です
  • 普段は内部が公開されていませんが、ゴールデンウィークなどの特別公開期間には見学できることがあります
  • 「大門櫓」は二の丸大手門にあたる建物で、平成13年(2001年)に復元されました

🌸 県南有数の桜の名所「臼杵城址桜まつり」

  • 約300〜1,000本のソメイヨシノが植えられており、例年3月下旬から4月上旬にかけて見頃を迎えます
  • この時期に開催される「臼杵城址桜まつり」では、夜間のライトアップ(18:00〜21:00頃)やステージイベント、屋台の出店などが行われ、大勢の人で賑わいます
  • 県南屈指の花見スポットとして、地元だけでなく遠方からの来園者も多く訪れます

⛩️ 遺構と自然が調和する城内散策

  • 本丸・二の丸跡を中心に整備されており、石垣・空堀・門跡・井戸跡・書院庭園の一部など、当時の城郭の広がりを感じられる遺構が随所に残っています
  • 石垣にはアルファベットのような刻印も見られ、キリシタン大名が築いた城ならではの名残ともいわれています
  • これまでの調査研究では、城内にはかつて貴族や将軍の邸宅のように豪華な「御殿」や「館」があったことも分かってきています

🎯 続日本100名城のスタンプと歴史散策

  • 2017年に続日本100名城に選定されており、スタンプラリーを目的に訪れる歴史ファンも多いスポットです
  • ゴールデンウィークなどの特別イベント時には、文化財担当課による現地ガイドツアー「臼杵城 海に浮かぶ要塞」(無料、各回先着20名程度)が開催されることもあります
  • 大友宗麟鉄砲隊による「国崩し」火縄銃・大砲演武など、当時の雰囲気を体感できるイベントが行われることもあります

🌿 夏はツツジ、市民の散策・憩いの場として

  • 桜のシーズンだけでなく、夏にはツツジも楽しめ、一年を通じて市民の散策や憩いの場として利用されています
  • 明治6年の廃城後、日本で最初期の公園として整備された歴史を持つだけあって、今も地域に根差した公園として愛され続けています

季節ごとのイベント・楽しみ方

🌸 春:桜まつりとライトアップ、特別公開

例年3月下旬から4月上旬にかけて桜が見頃を迎え、「臼杵城址桜まつり」が開催されます。夜間のライトアップやステージイベント、屋台の出店で公園全体が華やかな雰囲気に包まれます。あわせてゴールデンウィーク期間中には、普段公開されていない「卯寅口門脇櫓」「畳櫓」の特別公開や、鉄砲隊の演武、ガイドツアーなど家族で楽しめるイベントが行われることもあります。

🌿 夏:ツツジと緑陰の城跡散策

桜の季節が終わった夏には、ツツジが公園を彩ります。海に囲まれていた歴史を持つ城跡らしく、高台からは臼杵の街並みや海への眺望も楽しめ、涼しい時間帯の散策にもおすすめです。

🍂 秋:歴史散策にぴったりの季節

気候が落ち着くこの季節は、石垣や遺構をじっくり見て回るのに適しています。城下町の他のスポットとあわせて、ゆったりとした歴史散策を楽しめます。

❄️ 冬:静かな石垣と海の眺め

木々の葉が落ちて見通しが良くなる冬は、石垣越しに広がる海の景色や城下町の街並みをより一層はっきりと眺められる季節です。空気が澄んだ日には、遠く豊後水道まで見渡せることもあります。


訪問前に知っておきたいアドバイス

  • 桜まつり期間中は特に混雑します。駐車場は市役所周辺の無料・有料駐車場もあわせて活用しましょう
  • 特別公開のタイミングを狙いましょう。卯寅口門脇櫓や畳櫓の内部は、ゴールデンウィークなど期間限定で公開されることがあるので、公式サイトで最新情報を確認してから訪れるのがおすすめです
  • 周辺の城下町スポットと合わせて巡りましょう。二王座歴史の道や稲葉家下屋敷、国宝・臼杵石仏など、徒歩圏内に見どころが点在しています
  • 多機能トイレはありますが、バリアフリー情報は限定的です。城跡特有の高低差もあるため、事前に現地の状況を確認しておくと安心です
  • 石垣を見比べる楽しみ方もおすすめです。太田期・稲葉期など時代ごとに積み方が異なるので、案内板を頼りに石垣めぐりをしてみましょう
  • 国史跡指定の記念イベントもチェックしましょう。指定を記念したガイドツアーや演武イベントが今後も開催される可能性があります

臼杵公園【まとめ】

臼杵公園は、キリシタン大名・大友宗麟が築いた海城の跡地に太田氏から稲葉氏へと受け継がれた時代ごとの石垣が今も残る、まさに「石垣の博物館」と呼ぶにふさわしい国史跡です。

2025年の国指定史跡入りという新たな節目を迎えながらも、市民からは変わらず「公園地」として親しまれ、県南有数の桜の名所として春には多くの人で賑わいます。

現存する卯寅口門脇櫓・畳櫓や復元された大門櫓、時代の異なる石垣群を見比べながら戦国時代から明治まで続いた城の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。周辺の城下町スポットとあわせて、最新のイベント情報は臼杵市公式サイトで確認することをおすすめします。