◎沖縄戦終焉の地で「平和」を胸に刻む——平和祈念公園

沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の丘に広がる平和祈念公園は沖縄戦最後の激戦地に整備された広域公園です。
青い海を望む台地には、平和の礎(いしじ)や沖縄県平和祈念資料館、沖縄平和祈念堂、国立沖縄戦没者墓苑といった祈りの施設が点在し、年間およそ100万人が訪れる沖縄本島南部を代表する慰霊・平和学習の拠点となっています。

戦跡としての厳粛な空気が漂う一方で、休日には広い芝生で球技を楽しむ家族連れの姿も見られ、慰霊の場と憩いの場という二つの顔を併せ持つのがこの公園の特徴でしょう。修学旅行や慰霊団の訪問はもちろん、沖縄観光の一つとして立ち寄る人も年々増えています。

本記事では、基本情報からアクセス・駐車場の詳細、見どころ、季節ごとの行事まで、初めて訪れる方が知っておきたい情報をまとめました。事前に押さえておけば、限られた時間でも公園の魅力を余すことなく感じられるはずです。

基本情報

  • 所在地:〒901-0333 沖縄県糸満市字摩文仁444番地
  • 計画面積:約47ha/供用面積:約39.85ha
  • 開設:1978年(昭和53年)11月13日
  • 入園料:無料(園内の資料館・祈念堂は有料)
  • 開園時間:8:00〜22:00(閉園)、年中無休
  • 沖縄県平和祈念資料館:9:00〜17:00(常設展示室への入室は16:30まで)、大人300円・小人(学生等)150円・未就学児無料、休館日は12月29日〜1月3日
  • 沖縄平和祈念堂:9:00〜17:00、年中無休(天候等による臨時休館あり)、大人450円・中高生350円・小学生以下無料、慰霊の日(6月23日)と終戦記念日(8月15日)は無料
  • 指定管理者:公益財団法人沖縄県平和祈念財団
  • 問い合わせ:平和祈念公園管理事務所 098-997-2765

アクセス

  • 車:那覇空港から国道331号経由で約30〜40分
  • 車:沖縄自動車道・南風原南ICから約20分
  • バス:那覇バスターミナルから89番(糸満方面、片道590円、20分に1便程度)で糸満バスターミナルへ、82番「玉泉洞線」(片道480円、1時間に1便程度)に乗り換え「平和祈念堂入口」下車、徒歩すぐ〜5分ほど
  • タクシー:那覇バスターミナルから約18km、料金の目安は3,500円前後

公園はバスの乗り継ぎが必要なうえ、82番は1時間に1便程度と本数が限られています。摩文仁周辺には他にもひめゆりの塔など南部戦跡が点在しているので、時間を気にせず効率よく巡りたいなら楽天トラベル(レンタカー)を借りて南部観光と組み合わせるのがおすすめです。

駐車場の詳細情報

  • 収容台数:無料駐車場が公園全体で約546台分(乗用車469台・大型バス77台)
  • 料金:無料
  • 配置:園内には北口・中央口・南口の3つの入口があり、それぞれの周辺に駐車スペースが分散しています。資料館や平和の礎に最も近いのは中央口側の駐車場で、公園を訪れる際の主要な発着点です。北口寄りには「北側駐車場」があり、祈念堂側から回る場合に便利です
  • 混雑ピーク:6月23日「慰霊の日」の前後は沖縄全戦没者追悼式や関連行事に伴い、園内・周辺道路で交通規制が敷かれ駐車できない時間帯があります。12月第1日曜日のNAHAマラソン開催時も周辺道路が規制対象になることがあります
  • 利用時間の目安:公園の開園時間(8:00〜22:00)に準じます
  • 注意点:資料館・祈念堂それぞれに専用駐車場があるわけではなく、公園全体の駐車場を共有する形になります。式典・行事の開催情報は事前に公式サイトで確認しておくと安心です

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見どころ

🕊️ 平和の礎(へいわのいしじ)

  • 1995年6月23日、沖縄戦終結・慰霊の日の50周年に除幕された記念碑で、国籍や軍人・民間人の区別なく沖縄戦などの犠牲者全員の氏名を刻んでいます
  • 「いしじ」は沖縄の言葉で「いしずえ(礎)」を意味します
  • 2026年6月23日現在の刻銘者総数は242,659人(沖縄県出身約14.97万人、県外都道府県出身約7.84万人、米国約1.4万人など)で、毎年追加刻銘が行われています
  • 刻銘碑は海に面した「平和の広場」を中心に放射状(屏風状)に並び、メイン園路は慰霊の日の日の出の方位に合わせて設計されています
  • 広場中央の「平和の火」は座間味村阿嘉島で採取した火に、広島・長崎の火を合わせたもの。名前を探す来園者のための刻銘者検索システムも用意されています

🏛️ 沖縄県平和祈念資料館

  • 沖縄戦の実相や戦後の歩みを、写真・遺品などの展示を通じて伝える施設です
  • 住民目線で描かれた戦争の記録が中心で、平和学習で訪れる修学旅行生の姿も多く見られます
  • 多言語対応の音声ガイドや車いすの貸し出しがあり、団体割引も利用できます

⛩️ 沖縄平和祈念堂

  • 1978年開堂。世界平和のメッカを目指して建てられ、高さ約12m・幅約8mの沖縄平和祈念像(彫刻家・山田真山氏が18年余りかけて原型を制作)を安置しています
  • 壁面には「戦争と平和」と題された連作絵画20点が飾られ、隣接する美術館では賛同した画家たちから贈られた作品も鑑賞できます
  • 敷地内の「清ら蝶園」では国内最大級の蝶・オオゴマダラを飼育しており、羽を広げると13cmにもなる姿を間近で観察できます

🪦 国立沖縄戦没者墓苑・慰霊塔エリア

  • 約18万柱の遺骨を納める国立沖縄戦没者墓苑があり、参拝者が絶えません
  • 摩文仁の丘周辺には各都道府県から建てられた慰霊塔が約50基集まり、訪れた地域ごとに手を合わせる人の姿が見られます

🗿 黎明之塔・第32軍司令部壕跡と沖縄師範健児之塔

  • 展望台の先、摩文仁の丘の西側には第32軍司令官・牛島満中将ゆかりの黎明之塔や、司令部壕の跡が残っています
  • その奥には、沖縄戦で命を落とした10代の少年たちを祀る沖縄師範健児之塔とガマ(自然壕)の跡があり、それぞれに語り継がれてきた歴史があります

🌊 展望台からの海岸線

  • 公園の南東側は断崖絶壁の美しい海岸線を望む立地で、展望台からは東シナ海の青が一望できます
  • ガイドブックにはあまり載らない穴場の絶景ポイントとしても知られています

🚃 園内EVバス(電動カート)

  • 公園案内所を起点に園内8箇所を巡る電動カートが運行しており、1回100円で利用できます
  • 広大な敷地を歩き通すのが大変な方や、資料館・祈念堂・慰霊塔エリアをまとめて回りたい方に便利です

🌳 多目的広場・子供の広場

  • 広い芝生の多目的広場は、休日になると家族連れがグランドゴルフやバドミントン、ピクニックを楽しむ憩いの場になっています
  • 子供の広場には大型遊具があり、遊具の下にはクッション材が敷かれているため小さな子供連れでも安心です

季節イベント

🕯️ 慰霊の日(6月23日)

  • 県主催の沖縄全戦没者追悼式が式典広場で執り行われ、多くの遺族や修学旅行生が訪れます
  • 2026年度は資料館の常設展示観覧が無料になり、開館時間も9:00〜18:00(入室は17:30まで)に延長されました
  • 資料館内の平和祈念ホールでは13:30〜16:30に沖縄戦関連のビデオが上映され、途中入退場も可能です
  • この時期は交通規制や駐車制限が敷かれるため、車で訪れる場合は特に事前確認をおすすめします

🎇 終戦記念日(8月15日)

  • 沖縄平和祈念堂の参観料がこの日に限り無料になります

🏃 NAHAマラソン(12月第1日曜日)

  • 公園周辺の道路がコースに含まれることがあり、当日は交通規制の対象になる場合があります

四季まとめ

  • 春(3〜5月):気候が穏やかで、卒業・修学旅行シーズンと重なり団体客が増える時期です
  • 夏(6〜8月):慰霊の日や終戦記念日の関連行事が集中する一方、日差しが強く台風シーズンにも入っていきます
  • 秋(9〜11月):台風の影響を受けやすい時期ではあるものの、観光客はやや落ち着き静かに見学しやすくなります
  • 冬(12〜2月):本土から避寒目的の観光客が増え、NAHAマラソンの時期は周辺が賑わいます。気温は温暖で屋外散策にも適しています

訪問アドバイス

  • 暑さ・日差し対策を万全に。園内は広く、日陰の少ない園路も多いため、帽子や飲み物を用意しておきましょう
  • 台風情報の事前確認が欠かせません。夏から秋にかけては台風接近時に一部施設が臨時休館になることがあります
  • 静粛なマナーを心がけてください。慰霊の場としての性格が強い公園のため、大声での会話や不謹慎な行動は控えましょう
  • 所要時間には余裕を。主要施設を一通り回るなら1〜2時間、資料館をじっくり見学するならさらに時間を見込んでおくと安心です
  • ハブへの注意も必要です。園路を外れた草むらに立ち入る際は肌の露出を避け、単独行動は控えましょう
  • 慰霊の日前後の混雑・規制に注意してください。交通規制や駐車制限が敷かれるため、この時期に訪れる場合は公式サイトで最新情報を確認するのが確実です

平和祈念公園【まとめ】

平和祈念公園は、沖縄戦の記憶を今に伝える慰霊の地であると同時に、青い海を望みながら家族でくつろげる開放的な公園でもあります。

平和の礎や資料館で歴史と向き合った後は、展望台からの海岸線や広い芝生で気持ちを整える——そんな訪れ方ができるのも、この公園ならではの魅力でしょう。沖縄本島南部を巡る際は、近隣の南部戦跡や公園とあわせて、ゆったりとした滞在プランを組んでみてください。

最新の刻銘者数や休館情報、行事のスケジュールは変更される場合があるため、訪問前に必ず公式サイトでご確認ください。

公式サイト:沖縄県営平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館